「こんな顔で……よろしければ……」
おれは
体育座りをしたまま
からだを彼女の方へ向けた。
昨日おれが買ってきたスウェットを着た
ロングヘアーの彼女がそこにいた。
目の回りは赤くて
化粧はすっかり
落ちてしまっていたけど
おれは美しさに見とれてしまった。
きっと
ついこのあいだまで
少女だったのだろう。
すこしあどけなさを残した表情が
じっとこちらを見ていた。
そして
冷たいコンクリートの上に
きちんと正座をした。
その動作に
おれも思わずつられて正座をした。
ひざの骨が
コンクリートに当たって痛かった。
彼女は
「助けてくれて、ありがとうございます」
と言って
きちんとお辞儀をした。
やっぱりおれもつられて
お辞儀をしてしまう。
ひざの前に
ぴしっと揃えられた
彼女の指がとてもきれいだった。

