ふたりを乗せた車はいつしか目的地へ着いたようだった。
『ここどこ?かなり田舎だけど、、温泉とか?』
『違うよ
ここは
俺が生まれた場所』
なにもない
ただ田んぼや畑が
広がる
てっぺいの
生まれた場所。
『よし、いいとこに連れてくよ』
そう言うと、
てっぺいは車をまた走らせた。
見たこともない景色がそこに待っていた。
ただっ広い
若草だけがが溢れる場所。
緑の匂いが
優しくて
気持ちよくって。
『ここ、いいとこやろ?
あそこの木陰で
寝っ転がろう』
ふたりで木陰に寝そべり
空を見上げ目を閉じてみる。
木の葉を揺るがす
風の音と
新鮮な空気
静かな時間。
目を開けると
てっぺいが
こちらを見て
笑っている。