その日から僕たちはできる限りの時間を共に過ごした。
ずっとひとりで悩み抱えこんできた、男を好きになるという思い。
てっぺいだけが
すべてを
救ってくれるような
気がした。
ふたりのデートは決まって夜が多かった。
月が照らす
誰もいない浜辺で
ふたり
手を繋いで歩く。
本当は
本当は
みんなに
僕たちをみてほしい。
そして、みんなに
僕たちをうらやましがってほしい。
てっぺいも同じ気持ちだよね?
てっぺいはいつも
歩きながらこう言った。
『ごめんな
いつも夜ばっかりで』
そして僕は言う。
『いいよ、全然!』
だって、ふたりでいるだけで
幸せだから。
だって、
ぼくたちは
繋がっているから。
不安、悩みなんて
もう、ない。
ただ、
この『瞬間』を感じたい。
手を繋ぐ。
それだけで
あなたを感じられるから。
