[ここにあるプリントを半分に追って、閉じといてください。よろしく!]
指示はこれだけ。
しかし
(これ……何クラス分?)
担任は明らかに他のクラスの分までやらせようとしているみたいだ。
やっぱり意地でも断れば良かった……と内心後悔していると大輔が近付いてきた。
「何やれば良いの?」
「…はい」
担任の書いたメモを彼に渡し、莉沙は作業に取りかかる。
大輔の、面倒くさ……っという声が聞こえたが一刻も早く2人きりの空間から逃げ出したかった莉沙は黙々と作業を続けた。
大輔も莉沙の前の席に座り、作業をし始める。
無言の中、室内では紙を折る音だけが聞こえていた。
黙々と作業を続け、ひとつの山全てを折り終わった莉沙は、次の書類を取ろうと顔をあげた。
その時、ふと大輔が口を開く
「ねぇ……」
その声に顔を彼の方へ向ければ、自然と重なる視線。
