斜め前の君





放課後こいつと一緒に作業なんて・・・

しかもこの雑務が一年間続くなんて・・・・




はぁ、とため息を漏らすと前方から大輔がやってきて




「委員会よろしくね、村野さん」

「・・・うん」



と、一見爽やかな笑顔を向けてきた。

莉沙にとってこの笑顔は何か裏で企んでいるのではないかと思えてしょうがない。


幸い、今は大輔はすぐに他の友達のところへと行ってくれたので良かったのだが。





昨日の一軒で莉沙は大輔がすっかり怖くなっていた。


また、何かされたら・・・





そう考えると莉沙は放課後が憂鬱でたまらなかった。



「莉沙ーどんまい・・・」

「愛美」


HR委員のときはあんなに投げやりだった愛美もさすがに同情しているようだ。



「何なら私、終わるまで待っていよっか?」


心配そうに申し出てくれたけど、莉沙は断った。HR委員の雑務は内容も分からないし、何時終わるか分からないからだ。


「大丈夫。さすがに学校だし・・・」

「でも...」

「あの人みたいな人は、そう居ないって」


そういって莉沙は笑顔を作って見せた。


「大丈夫。」



根拠は無いけど、大丈夫だよ・・・。