(断って!断って!!)
莉沙は心の中で必死に念じ続けた。
すると、その祈りは届いたのか、大輔は嫌そうな顔をして
「HR委員?やだよ、めんどくさ・・・」
と、断ろうとした。しかし・・・
彼の眼に入ったのは、HR委員の下にある、[村野莉沙]の名前。
それを見たとたん、大輔は誰にも気づかれないようにニヤリと笑みを浮かべた。そして
「・・・しょうがないなぁー。侑の頼みならやってあげるよ」
と、人 の よ さ そ う な 笑 み を浮かべて了承したのであった。
大輔のこの決断にまた、教室で拍手が起こった。
「本当に!助かるよー」
クラス全員が良かった、終わったーという表情を浮かべている中、不満そうな表情をしている生徒が一人・・・。
(最悪・・・最悪・・・最悪っ!!)
もちろん莉沙である。
落ち込んでいる莉沙に更に拍車をかける一言が今までずーっと黙っていた担任の口から発せられた。
「よし!じゃあHR委員は早速今日やることがあるから。山中・村野は放課後、社会科準備室に来てくれ。」
「はいよー」
「・・・はい...」
「よし、じゃあこれでHRはお開きでー」
侑のその言葉でHRが終わり、席についていた生徒たちは各々の友人の所でへ言って話したりしていた。
莉沙はそんな気力も無く、ただ目の前の現状に愕然としていた。
