斜め前の君


教室から沸き上がる拍手に、莉沙は溜め息をついた。

(あーぁ。引き受けちゃったよ……)


自分のこれからの1年を、悲観的に考えながら。



「よし!じゃあ後1人!やってくれるひーってあれ?」


侑が残りの一人を決めようとしていたら教室のドアが開いた。

入ってきたのは……




「あー!大輔遅刻だぞ」

「…チャリパンクしたんだよ……」




昨日の怖い人こと、大輔だった。何やら疲れた様子でのご登場だ。



そんな大輔を見て、侑は何か思いついた様な顔をした。

そして、クラス全体に響き渡る様に大きな声で


「大輔、HR委員やんない?」


肩に手をポンと置き、ニッコリと微笑んだ。


侑のこの言葉に大輔は少し顔を歪めた。が、彼よりもすごい表情をしている人が1名








(HR委員って……止めてよー冗談じゃない!!)





そう、それは莉沙だった。