斜め前の君


莉沙が反応すると、顔に笑みを浮かべながら


「HR委員!頼むよー」


「えっ……」


「村野さんなら細かい所まで気遣い行き届きそうだし」


「あ、あの……」


侑がいきなりこちらを見て莉沙を推薦しだすから、クラス中の視線が莉沙に集まって痛い。



早く了承しろっと言わんばかりの視線が……




「あ、愛美~」


おろおろとする莉沙はすかさず隣の愛美に助けを求める

が、



「良いじゃんやりなよー。早く終わらしたいし」


と、笑顔で返されてしまった。



「う……」



そうこうしている内に周囲からの視線も強く、急かされている様に感じた莉沙は……



「……やらせていただきます。」



つい、了承の返事を出してしまったのであった。