そんな莉沙を少し気にしつつも、愛美は目の前の男子にも挨拶をする。
「ども。林愛美です。」
「えっと、初めましてーさっき莉沙ちゃんとお友達になった斎藤侑です!」
初対面にもかかわらず、馴れ馴れしくて軽いのり(明るいけど)。なるほど莉沙が苦手そうなタイプだ・・・。
愛美はそんなことを考えつつ、二人の会話に参加した。
もともと友好的な愛美は、すぐに侑と仲良くなった。会話も盛り上がっている。
莉沙はそんな二人の会話に頷きつつ笑顔で聞きいていた。
「あーねぇ、そういえば二人って彼氏いるの?」
「私は居るよ、一応ね。」
と愛美。愛美には付き合って1年たつ年上の彼が居るのだ。
「莉沙ちゃんは?」
「私は居ないよ」
「そうなんだー。じゃあアレだね」
「ん?」
「俺頑張っちゃおっかなー」
「へっ・・・」
「侑くん、莉沙困っちゃってるからー」
「あはは。半分冗談だよー」
(半分は本気なんだ・・・)
莉沙は笑いながらも少し頬は引きつっていた。正直、軽いノリの人は苦手だ。悪い人ではなさそうだけど。
「そういう侑くんはどうなのよ」
と、愛美が話を振る。
「俺?俺は今は居ないよー」
「今はってことは過去にはいたんだー?」
そんな感じで今度は恋話で盛り上がっていく。話題が自分からそれたことにほっとして、莉沙はまた二人の話を聞いていた。
そんな感じで仲良くなって、朝の時間は終わった。
担任が教室に入ってくる。
昨日の怖い人・・・大輔はまだ来ていないようだ。
