彼女の友達の知り合いだ。

しかも こんな性格だということくらい 承知で合っているわけだから。


「私とレイのことは二人で決めてるから」


関係ないから くちをはさむなと。


ナナは ニッコリ微笑んで 目で 最後の一行を付け加えた。


しばらくして、片手にレッドアイとなにかミルク系のカクテルを持って、レイは席に座る。


「遅かったねー」


ナナはレイの乱れたヘアスタイルを直しながら レイに話した。


「チョー混んでる。リュウももうくるよ」


レイはヒロコに、言った。


リュウは ヒロコにカクテルと自分にコーラをもらってきた。


「混んでるなぁ…なんもデキネーよなあ」


リュウは上着のジャケットを脱ぐ。


4人は乾杯をする。


ナナとヒロコの間の 微妙な空気に、レイが気づいたらしい。


「ナナ!」


レイは、ナナの手を取ると、立ち上がり2階フロアの踊れるスペースに移動した。


「どうした?悪魔おんなになんか言われた?」


レイは、ナナの腰に腕を廻して、耳元で尋ねる。

「べつに…」


ナナもレイの背中に、腕を廻した。


レイは、あとで リュウに話すよとナナに伝える。

「いいよ、気にしてないから」


「…何言われたの?」


二人の動きがとまる。


ナナはレイの顔を見つめる。


「せっかく久しぶりに来たんだから、踊るよ!」


すこしは踊れるようになった?

と、ナナは レイの手を握る。


レイは、決してうまくもないし なれてもいないけど


ナナの気遣いに、応えるように 体を動かす。


「レイ、アハハ。カクカクしてるよ」


ナナは、レイを見て笑う。


まだまだ、今日は 事件は続くのだった……