それを受け取った凌兄は驚いた顔をしたまま、「は…?」といった。
「あ、あたしからじゃないから!どうしてもって頼まれちゃって、断り切れなかったからっ」
早口で言って、なんとなくものすごく疲れた…。
けど、これで渡せたからいいか。
と、あたしはのんきに思っていたのに…。
「…お前、ふざけんなよ。俺がこういうの嫌いだって知ってんだろ?もらってくんじゃねーよ!」
怒鳴りながら、チョコをゴミ箱に投げ捨てた。
へ、へ、へ?
あたしはあたしが怒られたことにびっくりして固まる。
あたしだって好きでもらってきたんじゃないし!
てかいらないからってゴミ箱に捨てることないじゃん!
あたしはムカついて、拳を握りしめながら凌兄の部屋を出ていった。
なんであたしが怒られなきゃいけないのさ!!

