「…さっさと寝ねぇと、明日辛いぞ」 ぎゅっと、抱きしめられる。 安心するぬくもり。 冬なのに、暖房なんていらないくらいあったかい。 「遅刻しそうだったら車で送ってって♪」 あたしは、ずいぶん素直になった気がする。甘えられるようにもなった。 「ヤダ。」 凌兄は相変わらず意地悪だけど…。 ケーチッ。 ぶっと頬を膨らます。 それを暗闇に慣れてきた目で見て、頬をツンツンつっつきながら笑う。 「バ〜カ。遅刻しそうじゃなくても、送ってく」 あたしの顔を上げさせ、額にキスをした。