★My Homeの秘密★♪〜brother&sister〜





「でもねっ!」


栞は一歩も引かない。



どうしてそこまで言うのだろうか。




しかし、勇紀はそんな栞の姿に、若干イライラを募らせる。



「だからってどうなんだよ?」



冷たい一言。

栞はふっと言葉をつまらせる。



「雛が切なそうな顔してるの嫌だ…」


「だからってどうすんだよ?雛に、譲りでもするのかよ?」



恐がらせないわけじゃない。
しかし、低い声にどうしてもなってしまう…。




勇紀の心境は複雑だった。

栞も凌兄が好きだったから、凌兄に譲ったのだ。


だからそんな不安で居られては、困るのだ。



……勝手かもしんねぇけど、仕方ねぇじゃん。



こんな顔を、見たいわけじゃない……。




冬兎も、口には出せないでいたが、勇紀と同じ想いだ。




栞には、いつも笑顔で居て欲しい…。