繋がれた手が羨ましかった。 そこから、愛情が注がれているように見えたから。 あたしの繋がれてた手は、 真っ白い建物の前で離されたから。 『雛、ここでいい子にするのよ』 迎えに来てはくれない。 わかっていたけど、 いい子にしてればいつか迎えに来てくれるんじゃないかって、 心のどこかで期待していた。 ―――…街中で、両親に繋がれた子供の手が、羨ましい。 あんな幸せそうな笑顔を、 どうして出来るんだろう? ―――…その“愛情”っていう暖かさが欲しかった。