『…では、誓いのキスを』







あの頃よりは、ずっとずっと大きく、かっこよくなった凌兄。



そしてあたしも、あの頃よりは、もっとちゃんと、成長出来たと思うから…。






「…今度こそ、本当の誓いのキスだね?」



あたしが、小さい声でそう言うと……。




凌兄は、少しだけ驚いて、だけど、……優しく微笑んで。






「……ああ、そうだな」










凌兄の手が、硝子細工に触れるようにあたしの目の前の白い布を上げて。


優しく、優しく、あたしの頬に触れる。





「一生大事にする。お前も、………俺達の子供も。」





その瞬間、まだまだなはずなのに、


お腹の中で、小さな小さな命が動いた気がしたんだ。




でもそれは、きっと気のせいじゃないはず………。