「…ああ、わかってる」 その声が聞こえたと思ったら、 繋がれていた両手は、 ……離されていた。 その代わり、 今度は絡まった、 力強く、優しい腕。 「やっと、来たか。お前は相変わらず遅刻魔だな」 「…なっ、遅刻なんてしてないもんっ!」 今日は目覚ましをかけて、ちゃんと早起きしたんだからっ! 「……いや、待ちくたびれたよ」 この日を―――――…。 「そんなに泣くな。不細工になるぞ?」 「しょゔがない゙じゃん゙…!」 嬉しくて、嬉しくて、仕方ないんだから……。