ああ!雛!!
待って、あたしをおいてかないで―――!!
少し不安で、心細くて泣きそうになってしまう。
「栞、」
「ん?」
「あんたはもう、子供じゃないの。分かるでしょ?」
そう、もうただ甘えているだけでよかった子供ではいられない……。
「……うん」
そしてその先は、決して悲しい未来に繋がってるわけじゃないから。
「……でも、あんたは一生お母さんとお父さんの娘よ。幸せになりなさい」
また、泣きそう…。
まだまだ早いのに……。
また、お母さんに怒られちゃうかも。
1人で、“そこ”まで歩いていく。
やっぱり、この格好って歩きづらい。
もっと、歩きやすいのにすればよかった。
…でも、凌兄がこれがいいっていうから、仕方ないか。

