「…いや、だってあまりに違うから!!」
「まーねー。あんた、あたしの子のくせに普段だめだめだけど、今日はさすが私の子って感じよ!」
…その発言に、一体喜んでいいんだかわからない。
だけど、
「しおちゃん本当にすっごく綺麗だよ!!世界で1ばん!!」
雛の大袈裟な誉めに、
「雛…ありがとう。」
やっぱり、恥ずかしくも嬉しくなった。
今日は特別な日だから―――…。
「…じゃ、栞。あんた、こっからは1人で行きなさい」
“ある場所”へ続く道すがら。
お母さんはそんなことを言い出して…。
今まで貸していてくれた手を放した。
「ええ!!なんでよ!?」
せっかくなんだから、最後まで送っていってよ!!
「もうあんたは出ていく身なんだか、いつまでも甘えてないの!…ほら、雛も」
お母さんに促され、雛も手を放す。
あたしは雛をすがるようにみたけど、「しおちゃん、頑張ってね!」と可愛く微笑んで、去っていく。

