「…凌に、りょう!」 あたしが叫ぶと、びっくりしたようだったけど、だんだん嬉しそうに顔を緩めてく。 ああ、だいすきだ。そう思う。 「あたしと、結婚してください!!」 ………凌兄から、返事はもらえなかった。 その代わり、そう叫んだあたしの唇を、塞いだんだ―――…。 『…わあ!しおちゃん綺麗!!』 目を開ける…、 するといつもの自分はそこにいなかった。 「うっわ、誰これ!?」 「栞、あんたに決まってんでしょーが。他に誰がいんのよ」 あたしの発言に、お母さんが突っ込む。