目の前にいる凌兄を、顔を上げてをじっと見つめると。
凌兄の意外と大きい手が、あたしの視界を塞ぐ。
「…、こっち見んな…」
「なんで…?」
「……我慢、できなくなりそうだから…」
最初は、意味がわからなくて考えていたら、その意味に気付き、少しだけ顔が熱くなる。
「…りょ、に…」
「…悪い、大丈夫だから。すぐ収まる…」
もう、なにが?とは聞かない。
そして、あたしもぎゅっと自分の手を握り締める。
「…いいよ、我慢しなくてっ、」
そう言ったあたしの言葉に、凌兄は停止。
目を見開いて、固まってる。
「…や、わかってんのか栞?」
「なっ!そんな馬鹿じゃないもん!!」
もう18なんだから…。

