ぽかんとするあたしに比べ、勇紀からすればこの展開は当たり前だったようで…。
「…あんたたち、昔からちっとも変わんないわね」
友里亜も知っているように、クスクスと笑った。
「栞、ちょっと見ないうちに痩せたね。顔色も悪いし…大丈夫?」
冬兎は、やっぱりよく出来た弟だと思う。
大丈夫、と笑う。
それから、冬兎~って抱きついた。
うわっ、て可愛い声で抱き止めてくれて。
ああ、久々!!この感触!!
「あ、おい!!浮気だぞ!!」
「なによ!久々の再会なんだからちょっとくらいいいじゃない!!」
「お前っ…俺の時とずいぶん違うじゃねぇか…!」
「……だって勇紀は馬鹿だし」
あたしの場所は、やっぱりこの空間だと思う。
でも、あたしは一番大切なものを、失いかけていたんだ…。

