兄弟から恋人へ。
それでさえやっと慣れてきたのにキスでさえまだ緊張するあたしには、その先はまだ抵抗があって…。
でも凌兄はもう20歳なわけだし、こういうことに慣れているだろう。
なんせ前科がある。
だからあたしだけ、心の準備がいつまで経っても出来ないまま、緊張はピークに達していた。
そんなあたしを見抜いてなのか…。凌兄は。
『んな、緊張すんな。無理やり襲ったりなんかしねぇから』
そういう凌兄にびっくりして、あたしは顔をあげた……。
だってあんなに2人部屋になるのを喜んで、覚悟しとけよ?とあたしを脅したじゃないか!
『…お前、まだ無理みたいだし。2人きりになれただけで充分だから』
ぽけっと、するあたしを凌兄は引き寄せて抱きしめる。
『…結婚初夜ってのも、なんかいいし。仕方ねぇからそれまで待ってやるよ…』

