「それは喧嘩売ってんのかなー…」
にこーって笑いながら、さっきからなんなんだって顔をする。
「…違うもんっ!!」
結局、あたしの我が儘なんだけど…。
――あたしは、いつまでたっても子供だ。
「はぁ…どうしたんだよ?」
それなのに、めちゃくちゃなあたしの態度に優しい瞳で、優しく問い掛けてくる凌兄。
なんで、怒らないの…。
ぎゅっ、と凌兄にしがみつく。
少し驚きながらも、背中に腕を回して抱きしめてくれる。
あったかくて、少し安心した。
もっと求めるように、更に強くぎゅっと、抱き着いた。
どうしたんだよ、なんて。
あたしにもわからないんだよ。
ただただ、不安なんだ。
何が、か。わからないけれど。
あたしだけ、取り残されてく気がして…。

