「…はぁ、またかよ…」
凌兄はただ呆れたように、溜め息をついて。
「………」
あれ?
恐る恐る目を開けると…凌兄は台所へと消えて行った。
はれ?
それだけ…?
ずいぶんあたしの時とは態度が違くはないかい?
や、雛に被害が及ばなくて良かったんだけどさ…。
え、あれっ…?
なんか、納得いかない…。
どうして?さっきはあんなに怒ったのに…。
…一体なんなのよっ!!
今度は怒りが沸き上がってきた。
なによ!!
なんであたしだけあんなに怒られたのか意味がわからない。
差別もいいところだっ!
…それ以来、
凌兄に頼まれてもチョコは絶対渡さないと誓ったし、
トラウマのようになんとなくバレンタインは苦手なものになっていた。

