ま、まさかの展開!!
凌兄がタイミング悪く、一階へと階段から降りてくるところだった。
な、なんてタイミングが悪いのっ!
もっと勉強しててくれて良かったのにっ!と心底思った。
「りょうちゃんっ」
階段を降り切った凌兄に、雛が駆け寄る。
「あ?」と素っ気なく、なんだよと反応する凌兄。
ああーっ!!駄目駄目!!
あたしは、動きが遅れたことにとても後悔した。
「雛ちょっとま…っ!」
「りょうちゃんこれ。玄関で女の子に頼まれたの」
と、ハートの模様の包み紙のそれを凌兄に差し出した雛。
お、終わった……。
もう凌兄は完全にそれを見てしまった…。
雛…守れなくてごめんね。
役立たずな姉でごめんね。
と内心謝りながら、目をぎゅっとつぶった。

