自分の運命なんて、どこでどうなるのかわからない。


ましてや今日、私の運命が大きく変わってしまうなんて、誰にもわからなかっただろう。


いつものように靴を履いて、幼なじみの春樹に『おはよう』と軽く挨拶をして。


家の前で咲き誇っている見慣れた桜の木の下にふと目をやると、一通の手紙が落ちていた。





「ゆま?
何してんの?」

「え、何でもない」

「ふーん?
なら、さっさと学校行こ?」

「うんっ」





春樹に気付かれないように、そっと手紙をカバンに潜ませる。


春樹は呑気に、私の二、三歩前で鼻歌を歌っていた。



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