……沈黙が続いている。


アタシは勇気を出して声をかけた。



「この前は、ごめんね…伊吹がアタシの事思って、せっかく勇気を出して告白してくれたのに、すぐに拒否しちゃって。でもアタシも伊吹が好きだよ…!!でもよく考えたら好きになっちゃいけないんだ。本当にごめん」


「この前は俺もちょっと無理やりすぎてごめんな。でも俺は美紀に嫌いって言われても、気にしないから!!見えない人でも、追いかけ続けるから…」




そんな事言ったらダメだよ。また涙があふれてくる…





アタシも伊吹の事好き。別に昔みたいに『友達として好き』ではなかったんだ。見えない相手でも、伊吹の事は信じていたよ…伊吹といい恋したかった。恋愛したかったんだよ。でも、背負っている荷物が重すぎて…苦しすぎて、無理だった。

でもそんな事…伊吹には言えない。誰にも言えない…。







幼稚園年中~小4までずっとアタシはイジメられていた。


ほとんど女の子。




友達の女の子もいたが、何回も裏切られた。






友達がいないアタシは必死に謝り、その仔の機嫌をなるべく、なるべく…損ねないようにしていた。





だけどいつもキツい友達になるための条件ばかり与えられていた。


言うなれば“パシリ”。



とにかくイジメっ仔は今まで皆グループで襲ってきた。






仲間が欲しかっただけなのに。




いつも友達でいて、応援してくれて、一緒に笑いあえて、一緒に泣いてくれる仲間が欲しかっただけなのに…