―朝―



今日の朝は、いつもより日がまぶしく見えた。




あの時よりは、アタシの中での時間は確実に進み始めている。

後一週間で夏休みも終わりだなぁ。

そんな悲しい気持ちと友達に会える嬉しさを抱え、アタシは眠い瞼をこすった。


今日も一日が始まる。


楽しい一日が。





…いつからか、アタシの悲しい毎日は嬉しい毎日に変わっていた。


それは皆が支えてくれてるおかげだね。


野愛や雫。


アタシの大切な友達…。


でもアタシの過去を知ると二人とも離れて行っちゃうかもしれない。


アタシはそれが怖くて、親友にも話さないでいた。







…アタシは最低な人間だね。友達を信用できないなんて。


でも気持ちの整理がついたら、ちゃんと皆に話すからね。


そういえば最近皆と会ってないなぁ。

雫とはあの日以来メールひとつしていない。


アタシは雫のケータイに電話をかけてみた。


雫は早く電話に出た。

「おはよ~眠いね~夏休みはずっと塾だからなぁ。受験も近いし~美紀久しぶり!!元気ぃ??」


「元気だよぉ。雫に会えて本当に良かった☆また学校始まったら話そうね!!勉強ガンバってっちょ♪」


しばらく間があり、雫は再び話し始めた。静かな声で。






「…ありがと~それでね、私塾の先に好きな仔できたんだ~~」