だけど何となく自分がバカにされているのが分かった。

記章の顔は真っ赤。



キスなんてするわけないじゃん。

バッカみたい。


まだ2年生だったアタシは何にも知らなかった。


「…あれは義理チョコっていってんじゃん!!」


アタシは怒鳴った。

集まってない人は見て見ぬフリをしている。

明らかに“関わらない方がいい”と感じている顔つきで。




そうすると少しの間黙っていたイジメのボスが記章を押した。


アタシは記章と運よく唇が重なってしまった。




辛い。すごく辛い。

記章はニヤけている。


コイツ、キモイ。



人生初めての…大切なファーストキスが何で記章なの??


アタシ記章なんか好きじゃないし。





イジメっ仔達は大笑い。


クラス中から歓声が。


イジメの子分はさっそく隣のクラスにバラそうとする。





アタシは教室を走って出ようとした。


ここにはいたくない。







すると後ろからいきなり記章が抱き付いてきた。