アタシはその日から人を簡単には信用しなくなった。




元々人間が嫌いで、自分も嫌いだった。


記章だけアタシを助けてくれた。





もう人なんか好きにならない。

友達として好きなだけなのに、こんなに広まるなんて。







“人を好きにならない”

アタシは心の中で自分と約束した。



―そんなある日―


ガラガラッ…

「おはようございます…」





教室を見ると、皆が記章を囲んでいた。


皆集まっているけど、何が起きたんだろう??




「お、きたきたー!!」

イジメっ仔がアタシを見て声を張り上げる。


「記章とキスしなさいよ!!」

「キスキスー♪」





…は??

何??


アタシは状況を飲み込めずにいた。