「…ここだ。」

そうジキルはやっと足を止める…。


「何で此処だと断定できんだよ!」

ラックスは肩で息をしながら、
ジキルを睨んだ。


「…奴らの基地が此処だからだ。」

ジキルは目の前に聳え立つ屋敷を
見つめて声を発する…。


「あ?なんで、おめぇが知ってんだ?」

ライターは不機嫌そうに煙草をふかした。


「……一度、ここに来た。」

ジキルはそれだけ言うと…
一人で屋敷に入る為のドアへ続く
階段を上っていく…。


「あ、おい!待てよ!」

そうラックスは足を引きずり、階段を上る…。
ライターもその後に続いた。


屋敷のドアは木製の両開きの物で、立派。


何も言わずに、ジキルは
そのドアノブを掴んで、ドアを開いていた。