「島田さん。鮎部さん来ました」


島田というのは、
私の隣にいる男だろうか?


さっきの電話の相手の
“鮎部”という人が、
ゆっくりと、近づいてきるのが分かる。

コツ、コツと
足音がだんだん大きくなる。


「へぇー……この子が蒼井美都ちゃん?」


私がゆっくり後ろを
振り返ると、

そこにいたのは、

“女の子”だった。


女の子と言っても、
私と同じくらいの子だ。

整った顔には、まだ幼さが残る。


「私、鮎部マナ。

よろしくね?美都ちゃん」


え?この子が
リーダー?不良には……全然見えない!!