「わ!!やっぱり良い男!」

隣で凛香がのん気な事を言っていたが、私にはそんなのどうでも良かった。

さっきは普通に話した人だけど、涼宮響だと知ると、見方が変わる。

想像していたような
チャラ男ではなく、

真っ黒なサラサラな髪に大きなちょっとツリ気味の瞳、その下の泣きボクロ、少しだけ着崩した制服。


良く見たら、イケメンなんて言葉では片付けられない。
人とは思えない美しさだ。

普段、綺麗とか可愛いといった感情を、初対面の人に抱かない私でも、
ため息が出てしまうほどだ。

「おい。てめぇ聞いてんのか?」

見とれているウチに、私は涼宮に連行されていた。
「な、ちょっ!離してください!」

「ヤダ!」

舌をベッと出すと、
涼宮は悪戯を仕掛ける子供のような笑顔で私を見た。

「な、なんなんですか?」