「雪月・・・」






「え??」







「アンタへの贈り物。雪月という名をやろう。」







少女・・・いや、雪月は凪雛を見上げた。







「その代り・・・アンタは雪月として、ここ美楼閣。いや、吉原に縛り付けられる。」









「雪道に迷いし者を、魅了し、虜にする・・・雪女郎として。」








雪月は、強い瞳をして、凪雛を見て頷いた。







しかし・・・







この瞳に、悲しみと恐怖が宿っているのを、凪雛は知っていた。








昔の自分を見ているようだったから。