暁九つ時






雪月は、庭へと降り立った。






壊された、風鈴を抱えて・・・






パチパチッ






雪月は、風鈴に火をつけゆっくりと立ち上る煙を見つめた。







煙は、空高く昇って行った。







「風鈴姐さん。貴方は、わっちに幸せと夢を与えてくんなした。」







「それだけ残して、遠く遠くへ行ってしまうなんて・・・ずるいでありんす。」







煙を見つめて言った。







すると、縁側に凪雛も腰を掛けていた。







風鈴を燃やしていることは、なんとも思わないようだ。