「凪雛姐さん・・・」






「お閖、ありがとう。呉葉のところに戻って良いよ。」






凪雛は、後ろにいたお閖に声を掛けて、自分は雪月の脇に腰を掛けた。







「困った禿だね。・・・夜中に、薄着であんなところまでいくなんて。」







「すみません。」







凪雛はため息をついてから、話し始めた。






「雪月、アンタは金山総次郎から虐待を受けていたらしいな。性的面の・・・」







雪月は、悪寒が走った。






甦る地獄の日々。






「華徠が殺されてから、2年間・・・オマエは華徠の代わりとして、金山の欲を全て背負い込んだ。そして・・・力尽きるようにして捨てられた。」







「やめておくんなし。」







雪月は、か細く呟いた。







「雪月、アンタは受け入れなきゃなんない。人は・・・過去から切り離して生きてはいけないんだ。」









「どれが、どんなにつらくとも・・・