翌日の夕方、雪月は、座敷で目を覚ました。






「風鈴・・・姐さんの。」







雪月が目を覚ましたところは、風鈴の座敷だった。







「あ、雪月ちゃん!!起きた?大丈夫?」







お閖が、焦った顔で座敷から顔を出した。







「お閖ちゃん・・・わっちは。」







「あぁ、起きなくていいよ。」







そう言って、お閖は雪月の寝ているわきに座った。









「急にいなくなっちゃって、びっくりしたけど・・・」








「神納様が、幕府の人をつかって探そうとしてくれんした。だけど・・・凪雛姐さんが断ってね。」








「翌朝、凪雛姐さんが気を失った雪月ちゃんを背負って、美楼閣の前に立ってたの。」