異様な雰囲気が流れた。





それを先に破ったのは、凪雛だった。





「とある宿屋で、女が何者かに殺されていた。」






雪月は、何故こんな話をされているのだろう、と首をかしげた。






「女は、風鈴だ。」






「は?」






雪月は耳を疑った。






凪雛はそれに構わず話し続けた。






「殺したのは、清次郎。風鈴の身請け相手だ。」






「清次郎・・・。本名を、金山総次郎。」






雪月は、身を震わせた。






「知っているね。」






「金山総次郎は、雪月。アンタの実の父親だったな。」