「名前を付けなきゃいけねぇな。・・・礎、ご苦労だった。」






礎と呼ばれた男は、そのまま部屋を出て行った。







「さぁ、言いたいことがあるならいいな。」








女将はあぐらをかき、口から煙を吐き出した。







「・・・別に。何もない。」







その少女はそう言って、女将を睨んだ。







「あたしは売られた。・・・売られた限り、ここでやっていくしかない。」







「ほぉ。なかなか肝がすわってる。気に入った。」







そう言って、ニヤリと笑った。







近くにいた、その少女よりも少し年上の女に、声をかけ。








また、その少女を食い入るように見つめた。