「そうか・・・」





雪月から文を受け取った、凪雛は意味ありげに呟いた。






それれから、雪月を盗み見し、文をたたんで引出しにしまった。






「風鈴には、了解したと伝えておくれ。」






「分かりんした。」






「雪月、風鈴と何があった?」






凪雛は興味本位だったろうが、雪月は話し始めた。






「わっちは・・・風鈴姐さんを信じていました。でも、今では誰も誰も。」







再び涙が、雪月の瞳から溢れ出た。






そんな雪月をじっと見つめていた、凪雛が口を開いた。






「わっちは風鈴がしたことに対しては何も言いんせん。それは、風鈴が正しいと思ってやったことだとわっちは信じているからだ。」







「雪月。わっちは、風鈴を信じてるよ。」







雨がしとしとと降る、暁八つ時の事だった。







そして、それから間もなくだった。







風鈴の身請けが決まったのは。