「さぁ、ここだ。お前の・・・」







大門と隔てられるここ、吉原







ある男に、歳八つばかりなる女の子を連れている。








手をひかれるままに入るその店。







吉原で一位二位を争う女郎屋、美楼閣 ミロウカク。








「あぁ、礎 イシズエ。やっと来んしんたか。」







豪勢な飾り付けの間に入った、その二人。







「女将さん、この子がそうです。」








「はぁーん。この子が・・・」







煙管を持って、食い入るようにその少女を見つめた。








「ここは、吉原の女郎屋。美楼閣。わっちはここの女将だ。」