「窓辺に飾ってあった風鈴。あれは・・・」







驚きの表情で、風鈴を見つめるが風鈴は、雪月の瞳を見なかった。







「唯一の家族だった母さんからもらったものだって・・・自分が母さんと過ごしたという証だって。」







その時、風鈴ははじめて雪月の瞳を見た。






「こわした。」






冷たい瞳でそれだけをはっきりと言った。






「こ、こわしたって・・・」







「どうして。」







「そんなの必要じゃなかたから。」







風鈴は文を包みながら言った。






「そんなのって・・・大切なものじゃなかったのか?」