「・・・分かりんした。お引受けいたんしましょう。」






少し間を置いてから、風鈴が答えた。





「しかし、珍しいですな。姐さんが禿を贔屓するなんて。」






クスクス微笑みながら言った。






「贔屓だなんて・・・」






風鈴は、スクッと立って言った。






「妬ましい限りです。でも・・・わっちの尊敬する姐さんですもの。信じてますから。」






禿を率いて、凪雛の座敷を出て行った。







「ふぅ。わっちはやるべきことをやらんとな。」







「礎。」







若い男が、座敷の入口に現われた。






「例のこと、確かなんだろうね。」







「はい。雪月の父親は・・・」