「わっちの新しい禿、知っているかい?」





風鈴は一瞬ぽかんとした。





しかし、すぐに微笑した。






「えぇ。知ってますよ。わっちら座敷持ちの間じゃちょっとした語り草になりんしたから。」







「あの、艶っぽさ。八つの子には見えんですもの。」






「雪月というんだがな。」






「雪月を、あんたに任せたいんだ。風鈴。」






「クスッ。ご冗談を。凪雛姐さんの方が、よっぽど姐女郎として優れてるじゃないですか。」







廊下で待っていた、禿が障子を開け、風鈴を呼んだがすぐに手で制した。







「なんか理由がありんすか。」







風鈴が鋭い眼光で、凪雛を見つめた。







「分からない。ただ・・・雪月を放っておけないんだ。風鈴、お前に任せたらあの子を悪いようにはしないだろう?」