「凪雛姐さん。」






「風鈴。いきなり悪いな。」






「丁度手隙でしたから・・・」






昼見世が始まったころ、昼九つ時。







凪雛の前に座る女性。






意志の強そうな瞳に、きりりと結ばれた唇。






知的そうで、どこかやさしい雰囲気を持つ。






凪雛の妹女郎。風鈴。






「相変わらず優しい性格だ。客が来てるんだろう?」







廊下にいる禿を指して言った。






「ふふふっ。わっちの禿じゃありんせんが・・・わっちに禿はいませんもの。」








「そう。禿について、お前に話があるんだ。」