月の雫〜The Moon Drop〜










「まさか、あたしを見破れる人間がいるなんてね。」


「人間観察は習慣なんだよ。」



ラスの不敵な笑みに、ルナ…いや、ルナの中にいる誰かが舌打ちした。



「どれくらい憑依してるの?」


「ここ半年さ。」



ルナではない、しわがれた女の声が答えた。



「よく半年もいられるね。」


「この身体とは相性がいいんだよ。」



そう言って、ルナの身体を撫でる。



ラスは武者震いを殺し、じっと彼女を見つめた。



「なにが望み?」


「まだこの世から去りたくないんでね。
このまま身体を頂こうと思ってさ。」



ルナに憑いている霊はルナの身体を眺めた。



「この子はまだ若いから随分使えそうだしね。」


「使うなよ。
出てけ。」



ラスが睨んでも、涼しい顔だ。