月の雫〜The Moon Drop〜

キッとシャナは呆然と頬を押さえているアルを睨んだ。



「貴方なんか、大嫌い!」



ラスは必死で笑いを堪えていたものの、ここで吹き出してしまった。



「あははははははっ!!!!!」


「んなっ!?」



身体を起こしたシャナはアルに見向きもせず、ルナに向き直った。



「ゴメンなさい、布団を占領しちゃって。」


「いいえ、うちの馬鹿のせいなんで、お気になさらないで下さい。」



互いにニッコリと笑い合う女二人に、アルは本当に本気で恐怖を覚えた。



「ラス…?」



助けを求めても、ラスは素知らぬ顔。



俺、どうなる…?


自分の知らない間に、自分の居場所が かっさらわれている。



なんとかしようと、アルは必死でシャナに声をかけた。



「シャナ、大丈夫か?」


「聞いて、ルナ。
頬が痛いの。」


「ええっ、どうしたの、シャナ!?
腫れてる!」



わざとらしい芝居に怒りがピークに達したアルはドンッと床を打った。



「何なんだよお前ら!
シャナも調子に乗るな!
謝ってんだから許してくれたっていいだろ!?」



シャナは怯えて押し黙る。



一気にシーンとなった空気に舌打ちし、アルは武具一式を持って家を出た。