月の雫〜The Moon Drop〜

「どうして。」



この問いにはルナが答えた。



「失礼ながら申し上げます。
なんというか…シャナイア様は挨拶にも品の良さが出てしまって、人々の記憶に残ってしまうと思うのです。」



シャナは首を傾げた。



「どうしたらいいの?」


「無愛想に。
大体、朝は結構忙しいので。
まあ、誰も声をかけては来ないと思いますが。」



シャナと一緒にラスも頷いた。



「わかった。
ありがとう、ルナ。
アルは僕達が見つけるから、安心して待ってて。」



瞬間、ルナが赤くなったような気がした。



ラスが背を向けた直後、家に駆け込んでしまったので、確信は得られなかったが。



「姉さ…あー、おばさん、また後で。」



おばさん!?



ラスが歩き去ってからも、しばらく硬直していたシャナだった。