月の雫〜The Moon Drop〜






ラス言う所の変装を終えたシャナは、確かに領主令嬢ではなくなっていた。



アルの妹、ルナに借りた古くなって擦り切れた服を着て、服から出た手足、顔に泥を不自然じゃない程度に塗り、頭には百姓の女がかぶっている巾をかぶった。



勿論、金髪は巾に隠して。



「うん、僕って天才!」


「確かに。
これはお嬢様だとは誰もわかりませんわ。」



ルナも口元を押さえ、感歎している。



嬉しいような悲しいような、複雑だわ、と思いつつ、シャナはニッコリ笑って言った。



「こんにちは。

…と、こんな感じでいいかしら?」



途端、二人は目を剥いて反対した。



「駄目駄目、駄目ですッ!」


「そうだよ、駄目!
誰とも話さないで!」



かなりムッとしたシャナは少し声を荒げた。