月の雫〜The Moon Drop〜







「確か、この辺だと思うんだけど…。」



ラスはうーんと唸って辺りを見回した。



「アル、木の横にある家って言ってた。」



シャナにも探すように促し、ラスはまた視線を巡らせた。



「三分の二の家の隣に木が立ってるわよ。」


「そんなこと言われても、僕も知らないんだよ!」



うああっ、とさすがのラスも苛立っている。



「しらみ潰しに回るしかなさそうね。」



ラスは口を尖らせて頷いた。



「行くわよ!」



こういう時、女の方が強い。



シャナは気合いを入れると、近い家のドアをノックした。



「すみません、朝早く。」



本当に。
まだ4時過ぎだ。



ラスは申し訳なさそうに身をすくめた。



「アルのお宅ですか?」


「…違います。」



女の人はドアをサッと閉めて、寝床に早々と引き返してしまった。



「あ、どこか訊こうと思ったのに。」



シャナは顔をしかめ、次の家に向かった。